インフレの謎 2023 1 15

書名 世界インフレの謎
著者 渡辺 努  講談社現代新書

 世界的な物価高については、
2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻が
原因であると説明されますが、
この本によると、インフレは2021年には始まっていたのです。
 経済がコロナ前に戻っただけならば、
労働市場において、労働力不足は起こらないはずです。
 しかし、現実には、労働市場において、
労働力が不足して賃金の上昇を招いています。
 コロナ感染の拡大期に多くの国で行動制限がありました。
多くの人は「巣ごもり」となりました。
 しかし、ウィズコロナの時代になっても、
労働者は戻ってこないかもしれません。
 巣ごもりを経験したことによって、
長時間の通勤を嫌がるようになり、
国によっては大規模な離職や早期退職があったかもしれません。
労働者の行動パターンが変化した可能性があります。
 こうなると労働市場において、
労働力が不足して賃金の上昇を招き、
その結果、インフレが発生していると言えるかもしれません。
 このような場合は、中央銀行がいくら利上げをしても効果はなく、
本来であれば、政府の役割となるのですが、
政府としては「働け」という政策は不人気ですので、
中央銀行の金融政策に依存するかもしれません。













































































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